Aerodynamics
高性能なエンジン、強固なフレーム、優れたサスペンションは全て重要であるが、何よりもシビアなものは車体のエアロダイナミクスである。 ドゥカティ999のフォルムは高速走行時の空気抵抗を最小にし、空力的負荷を正確にコントロールするようデザインされている。 フロントフェアリングとミラーは、風と物体からライダーをプロテクト。 ミラーは最大の後方視界と最小の空気抗力を両立し、サーキット走行時に脱着が容易なデザインである。 フロントフェアリングに設けられたエアベントはハンドルバーゾーンの渦流を抑え、一方"エアコンベヤー"はスリップストリームの水平方向の長さを制限し、モーターサイクルのエアロダイナミクスを向上させている。 大容量シングルエクゾーストマフラーは、テールセクション下の空間を完全に埋めている。 この容積で、排気ガスを最大限に膨張させノイズを低下、さらにそのコンパクトさはバイク後部のエアロダイナミクスを最適なものとしている。 GPバイク同様に、フェアリングの下部はスイングアームまで延長され、カバーされたリアホイール部まで乱気流の無い一定のエアフローを実現している。
From Design Concept To Production
ドゥカティ999の設計は、数多くのスケッチや図面を前にして設計とR&Dのスタッフが討議・情報交換することから始まった。 999は内部から外側に向けて開発が進められた。 デザインのビジュアル的・スタイル的キャラクター決定は、シャシとメカニカルコンポーネントのアレンジ終了後に行われた。設計から生産プロセスへとつながるキーとなるステップの概要は、下記の通り簡素化が図られた。
プロダクトブリーフ
キーとなるゴールの設定
● エルゴノミクスの向上
● 簡素化と部品点数の削減
● パッケージングの合理化とメインテナンスの簡略化
● 軽量化
● エアロダイナミクスの向上
メカニカルレイアウトの決定
コンセプトスケッチ
原寸大テープドローイング
パッケージングモデル/フォーム・コア・モデルの作成
クレイモデルの作成
エイリアスモデル(3D CAD)
マシニング作成モデル
プロトタイプ(プレプロダクション)
生産設備・治具開発
プレプロダクションモデル