Engine
The evolution of the Desmoquattro engine
テスタストレッタはデスモドロミックエンジンの最新進化型である。 前世代のデスモクアトロと比較すると、新ドゥカティ999エンジンは、クランクシャフト、シリンダー、シリンダヘッドの新規設計を含む数々の改良が施されている。 テスタストレッタは996Rで初めて導入され、世界スーパーバイク選手権で大きな成功を収めている。 テスタストレッタは常に広範囲のテスト、開発、リファインが加えられている。 シリンダヘッドはバルブ角25°: インテークバルブに12°、エクゾーストバルブに13°という狭角ヘッドを採用。 これにより非常にコンパクトな燃焼室が実現、11.4:1という高圧縮比でありながらフラットトップピストンが使用できる。 フラットトップピストンは、スムースでリニアな火炎伝播が可能となる最良な環境となる為、高効率な燃焼に最適なチョイスである。 テスタストレッタのデスモドロミックタイミングシステムには、コンポーネントの改良や最新の表面処理の採用等で大きな進化を果たし、結果としてメインテナンスのインターバルを長く取ることが可能となった。 999テスタストレッタエンジンのストロークは63.5mm。 ショートストローク化はピストンスピードの低下をもたらし、高いレッドゾーンリミットを可能とし、最大のパフォーマンスと信頼性の向上を両立させた。 さらに、潤滑系統もドゥカティの広範囲にわたるレース経験からダイレクトに開発・設計されたものである。 エンジンケーシング一体の新型の深いオイルサンプは、急加速時やコーナーでの極限のバンク時でも確実なオイル供給を約束する。
The revolutionary exhaust system
排気システムとシングルサイレンサーは、イノベーティブな非対称レイアウトを採用。 マニホールドの取り回しと大容量シングルマフラーは、中速回転域でのトルク増大に大きく寄与している。 このLツインエンジンレイアウトには、非等長エクゾーストパイプを採用した。 理論的には、等長のエクゾーストパイプが最適ではある。 ドゥカティ999は、この問題を、直径を変化させたエクゾーストパイプを使用し等長システムと同等の効果を得る独創的な方法で解決している。 フロントパイプ径を45から55mmまで変化させ、45mm等径のリアパイプと組み合わせ、等しい排気脈動と背圧を得ているのである。 ドゥカティ999に搭載のテスタストレッタは、ユーロ1のクリーンエア規制に適合し、現在策定中であるユーロ2で予測されている基準をも満たしている。
The air-intake system
エンジンへ充分なエアを供給することとそれに相反する吸気ノイズの削減を、12.5リッターへ増量したエアボックスと、パフォーマンスを犠牲にせず吸気音を低下できるヘルモッツ式レゾネーター付フレッシュエアインテークパッセージ採用で両立させている。
Fuel injection and engine control
ドゥカティ999には、ドゥカティコルセのレースバイク直系の燃料噴射システムが搭載されている。 マニェッティマレリの開発となる先進の5.9Mエンジンコントロールユニットは、エンジンの電気系統の各機能と点火システムを制御する。 インジェクターはインテークファンネル上方、スロットルボディ上流のダイレクトなポジションに配置されている。